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最近、朝起きてカーテンを開けたら「カーテンが濡れている!」なんてことはありませんか?
鳥取の冬は冷え込みが厳しく、窓にびっしり結露がつく光景は多くの方が経験していると思います。
でも、窓ガラスやサッシが濡れているだけだからと放っておくと、住まいや健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
結露は冬だけの現象と思われがちですが、実は夏にも発生します。
今回は、結露ができる原因と、対処方法についてお話しします。
結露ができるのはなぜ?
結露とは暖かく湿った空気が冷やされ、窓ガラスや壁などの表面に水滴となって現れる現象です。
具体的に結露が起こるしくみを3つのポイントに分けてみます。
- 目に見えませんが、空気中には水分が水蒸気となって含まれています。
空気中に含まれる水蒸気の量には限界があります。この量を「飽和水蒸気量」といいます。
(温度計で目にする湿度の数値は、空気の「飽和水蒸気量」に対する実際に存在する水蒸気量の割合です) - 飽和水蒸気量は温度によって違います。
気温が高いほど空気に含むことのできる水蒸気量が多く、気温が低いほどその量は減ります。 - 水蒸気量限界に達すると、超えた分の水蒸気が目に見える液体の水となります。これが結露です。
例えばコップについた結露は
⇒コップに冷たい水を入れると表面が冷やされ周辺の空気の温度が下がる
⇒コップ周辺の空気の飽和水蒸気量が減る
⇒空気中に含むことのできなくなった水蒸気が水滴となりコップ表面につく
鳥取の冬は外気温が低く、室内との温度差が大きいため、結露が発生しやすい環境です。
さらに、日本海側特有の湿気も加わり、窓や壁に水滴がびっしり…という状況になりやすいのです。
結露の種類
結露は大きく分けて2つの場所に発生します。
結露ができる場所によって「表面結露」と「内部結露」と呼ばれ大別されます。
表面結露
窓やサッシ、天井、壁など建材の表面に発生する結露です。家の中であれば、玄関や温度
の下がりやすい室内の角部分や家具などの裏側に発生します。
内部結露
主に壁の内部に発生する結露です。壁内や床下、天井裏などに発生します。
結露を放っておくとどうなる?
濡れたままの状態で放置しておくとカビが発生する原因になります。カビは湿度を好みます。カビが発生しやすい場所は、そのカビを食べるダニも発生しやすい場所です。
※カビ・ダニが増殖する条件は、カビの場合20~30℃の室温と70%以上の湿度、ダニの場合は20℃以上の室温と60%以上の湿度といわれています。
カビやダニはシックハウス症候群、アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎、小児喘息などの原因物質の一つと言われていて、結露を放置することで様々な病気へのリスクが高まります。
結露の放置は人体だけでなく住宅にも及ぶと言われています。結露による建材の腐食やさびなどが考えられます。そのまま放置しておくと耐震性、耐久性などの低下を誘発。また、湿った材木を好物とするシロアリも呼び寄せてしまい、シロアリによる食害も発生するといわれています。
アレルギーや喘息などの病気の原因、家や家具の傷みの原因の一つになっている結露。
結露を防止することは衛生環境を改善し、人体や建物に与える悪影響を抑えることにつながります。
結露を防ぐには?
生活する中で、結露の発生を抑えるために注意するポイントは何でしょうか?
- 調理中や食事中は換気する
湯気として水蒸気が発生します。換気扇を回しましょう。 - 入浴後は換気する
入浴後、換気扇を(浴室のドア・窓は閉めたままで)回したり、浴槽にフタをする。 - 就寝時の換気・空気循環に気を付ける
寝ている時も汗などで水蒸気は発生します。寝室の空気を循環させましょう。 - 洗濯物の室内干し時は除湿器などを使う
除湿器やサーキュレーターを使い湿度を調整しましょう。 - 使ってない部屋も換気する
水蒸気は発生しなくても他の部屋から侵入するので、適度の換気が必要です。 - カーテンや障子はこまめに開ける
閉めていると湿度の高い空間になるので、こまめに開けましょう。 - 強い風が窓に当たらないような工夫をする
窓の表面温度が下がらないように、木を植えたり雨戸を使い風が窓に当たるのを防ぐ。 - 新築時はこまめな換気を心掛ける
新築の家の材木は多くの水分を含んでいるので、冬などの乾燥時に室内に水分を放出します。新築の時は特に換気に注意しましょう。 - 暖房器具を見直す
冬の時期は水蒸気が発生しないエアコンや電気ストーブ、密閉型の暖房機を使用しましょう(暖房器具によっては燃焼する際に水蒸気を発生させるものもあります)。 - 加湿器は湿度を40 – 60%に設定する
室内の最適な環境は温度20℃、湿度50%です。加湿器などで湿度を上げすぎないようにしましょう。
(TOSTEM「住まいと結露の豆知識」より)
まとめ
結露を発生させないためには、温度差を伝わらないようにする断熱、気密と換気が大切です。
断熱窓にする、建物を断熱構造にするなど、住まいの断熱化で結露の発生を抑えることがで
きます。結露には換気を行い、室内湿度をコントロールし、空気の流れを作るようにしましょう。
窓リノベ(断熱窓への交換)はとても効果的な対策です。
窓は熱の出入りが最も多い場所なので、断熱性能の高い窓にすることで、結露の発生を大幅に抑え、室内の快適さもアップします。
結露の原因を理解し対処をして、快適で健康な暮らしをしていただければと思います。
